マイナーな話題で恐縮ですが、
郵便局の局名表示は建てられた年代ごとに違いがあるのをご存知でしょうか?
このうち、専門家(?)によれば、昭和50年代以前の局舎で使われていたのが今回ご紹介する「郵政書体」です。

木更津市の郵便局でも多くの局舎は平成以降に建てられたらしく、局名表示は「営団ゴシック」が大勢です。
本局、大和田、請西、清川、平川、富久田、真船、巌根、中島、桜井の局舎などです。

建替えや移転などもなく、昭和50年代から局舎が残存しているというのは珍しいようで、「郵政書体」に出会える機会は多くはありません。
「郵政書体」の魅力は標準規格と手作り感の絶妙なバランスだと思います。古い人の手書き文字のような美しさと言えば伝わるでしょうか?

そんな郵政書体を残す木更津市内の郵便局をご紹介します。

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(1)幸町郵便局(千葉県木更津市幸町3-1-9)

街中にある郵便局です。局名はちょっと古びてしまっていますが、青い書体は珍しいです。

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(2)東太田郵便局(千葉県木更津市東太田2-14-21)

街中にある郵便局です。「太」の字の点の位置あたりにこだわりを感じます。

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(3)畑沢郵便局(千葉県木更津市畑沢3-15-15)

この郵便局や次の大久保郵便局は傾斜地にあります。君津製鉄所造成の所謂「民族大移動」で、山を切り崩して急ごしらえした住宅地のための郵便局という成り立ちを偲ばせます。
目をつぶると当時の活況が蘇るようです。

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(4)大久保郵便局(千葉県木更津市大久保2-15-3)

畑沢の「沢」とか、大久保の「保」などの囲いが極端に真四角で、総体的に大きめにデフォルメされていると思います。

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(5)下郡郵便局(千葉県木更津市下郡730-2)

かなり田園地帯にある郵便局で、佇まいから「万人に行き渡るサービス」の心意気を感じさせます。
今回ご紹介する「郵政書体」の中でも、最も手作り感が強い美しい局名表示です。

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(6)長須賀郵便局(千葉県木更津市長須賀2529-3)

最後に、私が最も好きな局名表示です。
画数がやや多めで、何とも端正で美しい書体です。

今回「郵政書体」を探して市内を巡ってみました。
この美しい書体を、いつまでも大切にして残していきたいものだと感じました。